日本の近代猪瀬直樹著作集 3 / 猪瀬直樹/著
猪瀬直樹著作集第3巻。『ペルソナ』『ピカレスク』と並ぶ近代日本人の精神史ともいえる文学者群像三部作のうちの第二作。若き日の挫折や苦悩、世の中に認められるまでの人間くささあふれる生きざまを描ききった異色雑誌の黎明期を駆け抜けた二つの才能と、その哀感を描く、青春小説 <BR><BR> ノーベル文学賞作家・川端康成と「マスコミの三冠王」といわれた大宅壮一は、ともに大阪・茨木中学出身。家庭的に恵まれず、子供らしい経験のないまま成長していく二人は在学中に顔を合わせることはなかったが、ともに雑誌への投稿に熱中、文学界への憧れを抱く少年だった。紆余曲折を経て上京した二人は、作品が認められない不安や経済的な苦労に追われる無為な日々を過ごすが、同時代を駆け抜けた芥川龍之介、菊池寛、横光利一といった作家たちの交流の中で、徐々にそれぞれの才能を開花させていく。現代の情報化時代の原点ともいうべき、大正時代の雑誌出版草創期の時代精神を背景に、不世出の天才が世に出るまでの闘いを描いた青春小説。<br>