中國紀行 CKRM Vol.35

室町から江戸時代にかけて、現在の日本の範囲で海の女神として祀られた媽祖。残された信仰の跡を訪ね、その文化の起源に迫る。江戸時代の文化を色濃く残している地域では、かつての教育の中心的思想と融合していた儒学などの、古代中国から受け継がれてきた知識のかけらと度々遭遇する。江戸時代といえば、いわゆる鎖国政策のイメージが強いため、外国と交流していなかった時代と思われる人もいるが、外国とのやり取りを全て幕府が管理していただけで、外国と交流していなかったわけではない。飛行機の無い時代、外国から日本に来た人たちは、全て船でやってきた。大海を渡るため航海の知識は必須だが、天候を操作することはできないので、時には想像もつかない過酷な状況が現れ、命を落とすことも珍しくなかった。だからこそ船乗りには、いつの時代も心の支えが必要だ。中国から日本にやってきた多くの船には、媽祖という女神の像が祀れられていたという。現代日本の中で今も守り受け継がれている媽祖信仰に、中國紀行CKRM的視点で迫っていこう。<br><br>
主婦の友社
2024年04月
チユウゴク キコウ シ−ケ−ア−ルエム 35
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