異族 / 中上健次
風土に満ちるうめきを鮮烈に結晶させた中上文学の最期、到達点。未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。匂い立つ肉体と暴力性空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。<br><br>中上健次
講談社
2024年06月
イゾク
ナカガミ ケンジ
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