山に立つ神と仏 柱立てと懸造の心性史 / 松崎 照明 著

山や岩に神の座を見る日本人。遙拝し柱を立て神を身近に感じたい心性は、社の心御柱から観音信仰の力を得て山岳の懸造へと形を結ぶ。柱を立てるとはどういう行為だったのか。神を祀り天と地の通路を探った古代人の憧憬は、高く太い柱を求め、やがて神仏の近くへと山に分け入っていく。<br>山中に見出される聖なる岩座、そこに建てられる堂舎は懸造と呼ばれ、人々が観音や権現に伏し、籠もり、苦修錬行する拝所となる。<br>岩、岩窟、湧水に神仏を感じ霊験を求める日本人、形としての山岳建築に、浄所への畏敬と崇拝の心性を読む。<br>松崎 照明 著
講談社
2020年05月
ヤマ ニ タツ カミ ト ホトケ ハシラダテ ト カケズクリ ノ シンセイシ
マツザキ テルアキ
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