柄谷行人中上健次全対話 / 柄谷 行人

 若き日の出会い以来、常に世界的視野で表現を続けた批評家と作家の軌跡<br><br>一九六八年、遠藤周作が編集長をつとめる「三田文学」編集室に若い批評家と小説家が呼び出された。<br>この奇蹟の出会いによる鮮烈な印象は、互いの記憶に深く刻みこまれた。やがて日本文学の立役者となった二人は、常に相手を、さらに世界を強く意識し、「協働」するに至る――<br>批評家・柄谷行人と小説家・中上健次の全対談と往復書簡を収録する画期的な対話集!<br><br>中上<br>正義は正義だ。不正義は不正義だ。それを言わないとどうしようもない、というところに来ています。このままでは、文学が成り立たなくなる。<br>柄谷<br>僕は、ちまちましたポストモダン的シニシズムとかイロニーとかにうんざりしている。あんなのは自意識の欠落だよ。シュレーゲルが言ってるんだけど、イロニーの最終形態は真面目になることだ、と(笑)。だから素直にやろう。――<本文より><br>柄谷 行人
講談社
2011年04月
カラタニ コウジン ナカガミ ケンジ ゼンタイワ
カラタニ コウジン
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