美濃 / 小島 信夫
小説家が郷土の詩人に自分の年譜を頼んだことから、小説家のルーツを美濃を媒介にして探る、自由奔放に展開する物語。新機軸の長篇。物語は、著者自身の分身とおぼしき小説家・古田信次が、郷里・岐阜に住む詩人・篠田賢作に、自分の年譜の作成を頼むことから始まる。二人の会話を主軸に、美濃に関係の深い人物たちが、複雑に絡み合い、蜿蜒と繰り広げる人間模様。愛する故郷の自然、風土、方言、歴史を取り込み、ルーツを探りながら、客観的に「私」を見つめる。伝統的な小説作法、小説形式を廃した、独特の饒舌体による、新機軸の長篇小説。虚構が生み出す新しい現実、自由奔放に展開する物語。<br>小島 信夫
講談社
2009年11月
ミノ
コジマ ノブオ
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