僕が本当に若かった頃 / 大江 健三郎
還暦を前にした大江健三郎の精神の原風景。人生の中のふるえる如き深い魂の祈りと感動を伝える短篇小説集。障害をもつわが子と妻との日常、そして夥しい量の読書。少年の日の記憶、生の途上における人との出会い。「文章を書き、書きなおしつつ、かつて見たものをなぞる過程でしだいに独特なものを作ってゆく」という方法意識の作家「僕」が綴る、表題作等9篇の短篇小説。切迫した震える如き感動、特にユーモアと諧謔をたたえて還暦近づき深まる、大江健三郎の精神の多面的風景。<br>大江 健三郎
講談社
1996年08月
ボク ガ ホントウ ニ ワカカツタ コロ
オオエ ケンザブロウ
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