成熟と喪失 “母”の崩壊 / 江藤 淳

母子密着の日本型文化の中では「母」の崩壊なしに「成熟」はありえないと論じ、真の近代思想と日本社会の近代化の実相のずれを指摘。「成熟」するとは、喪失感の空洞のなかに湧いて来るこの「悪」をひきうけることである(本文より)ーー「海辺の光景」「抱擁家族」「沈黙」「星と月は天の穴」「夕べの雲」など、戦後日本の小説をとおし、母と子のかかわりを分析。母子密着の日本型文化の中では、「母」の崩壊なしに「成熟」はありえない、と論じ、真の近代思想と日本社会の近代化の実相のずれを指摘した、先駆的評論。<br>江藤 淳
講談社
1993年10月
セイジユク ト ソウシツ ハハ ノ ホウカイ
エトウ ジユン
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