講孟剳記 上 / 吉田松陰/〔著〕 近藤啓吾/全訳注

 下田渡海に失敗した松陰は、江戸より護送後直ちに野山獄に投ぜられた。本書は、再び世に出る見込みなき獄に起居し、同囚のために講義した「孟子」の前半。「吾(われ)の魯侯(ろこう)に遇(あ)はざるは天なり」において彼は「時に遇ふも遇はぬも、皆天に任せて顧みず。我に在りては道を明らかにし義を正しうし、言ふべきを言ひ為すべきを為すのみ」と。孟子のことばに拠り、それを越えて、自己現下の問題としてこれを考える、正に松陰ならではの気概の書である。<br>吉田松陰/〔著〕 近藤啓吾/全訳注
講談社
1978年12月
コウモウ サツキ 1 コウダンシヤ ガクジユツ ブンコ 442
ヨシダ,シヨウイン コンドウ,ケイゴ
講談社学術文庫 442/