まぐわう神々 / 神崎宣武

卑猥ということなかれ――子孫繁栄、五穀豊穣を願い、明治初期までは日本各地にみられた「性神信仰」。消えた、あるいは残ったそれらの信仰や造形物、祭を辿り、原初信仰がどのようなものであったかを探る。記紀神話以前の原始信仰である「性神信仰」。近代では淫祀邪教廃絶の風潮にともない、ときに卑猥なものとして退けられたが、今も日本各地にはその痕跡が残っている。座産土偶や陰陽石、木彫りの男根像や金精神を祀る社、かつてあった夜ばい文化、地域で継承され続けている担ぎ出しや道祖神まつり、神楽やお田植――「まぐわい(婚い)」の遺産や祭事を訪ね歩き、古くからの豊穣と繁栄への祈りを紐解く民俗学。<br>神崎宣武
角川書店
2023年03月
マグワウ カミガミ
カンザキ ノリタケ
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