先住民から見た世界史 コロンブスの「新大陸発見」 / 山本紀夫

ジャガイモ、唐辛子、トウモロコシなど南米の作物は、世界の食糧事情を大きく変えた。一方、西欧から持ち込まれた天然痘は、アメリカ大陸の人口激減を招く。先住民の視点から、世界史の変革期を捉え直す。コロンブスが15世紀に持ち帰った中南米原産のトウモロコシや、その後に伝わったジャガイモは、ヨーロッパの人口増加に大きく貢献した。他方、アメリカ大陸へ持ち込まれた疫病は、先住民の急激な人口減少を引き起こす。世界の食卓を豊かにした作物の伝播は、のちに「コロンブスの交換」と呼ばれるが、先住民にとっては略奪や侵略に他ならなかった。南米アンデスをフィールドに農学と人類学を研究する著者が描く、もう一つの世界史。<br><br>(本書は、『コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史』(角川選書、2017年刊)を、再構成・加筆・改題のうえ、文庫化したものです。)<br>山本紀夫
角川書店
2023年05月
センジユウミン カラ ミタ セカイシ
ヤマモト ノリオ
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