夜の寝覚 日本の古典 / 乾澄子
古典作品らしい浪漫性と、主人公「寝覚の上」の心の葛藤を細やかに描く現代性を併せ持つ『夜の寝覚』。『源氏物語』を受けてできた平安時代の物語を知ることで、より豊かな王朝物語の世界を味わえる。藤原定家が『源氏物語』に次ぐ作品として、『狭衣物語』と共に高く評価した平安後期の代表作。主人公の中の君が13歳の八月十五夜、天人が夢に降り立ち、琵琶の秘曲を授けられ、同時に苦難の予言を受ける。2年後、忍び込んできた男性と人違いの意に添わぬ契りを結び妊娠。それは姉の結婚相手であった。近現代文学にも通じる、宿命に翻弄される主人公の葛藤や、揺れる心の動きを繊細に描写。相次ぐ困難を乗り越えて成長する女性の一生の物語を解説。<br>乾澄子
角川書店
2024年02月
ヨル ノ ネザメ
イヌイ スミコ
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