円空と木喰 / 五来 重

修験道の厳しい修行に身をおいた円空。旅を棲家とした木喰。作風は異なるが、独自の仏像・神像を造り上げ、人々から深く信仰された。ふたりの生態や境涯から、彼らの文学と芸術と芸能の本質に迫る。修験道の厳しい修行に身をおいた円空。旅を棲家とした木喰。二人の「ひじり」の作った仏像には、極めて大きな違いがある。孤高にして厳しく知的に冴えた刀痕と清潔にして火のように激しい意志的な造型の円空仏。日本の仏像彫刻で忘れさられた完全な一本彫りを試み、自刻像をはじめ飄逸な作品を多く残した木喰。日本人の精神構造と庶民文化の本質を表す造形を持ち、強烈なエネルギーを放つ仏像の謎に仏教民俗学の泰斗が迫る。<br>五来 重
角川書店
2016年11月
エンクウ ト モクジキ
ゴライ シゲル
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