感傷の終り 私立探偵ジョン・タナー/スティーヴン・グリーンリーフ=著/斎藤数衛=訳

早川書房刊
ハヤカワポケットミステリ 1417
初版−1983年8月31日発行
新書判・並製・本文309P
発行当時の定価:880円

★内容:

私立探偵ジョン・タナーに許される時間はそう長くなかった。サンフランシスコでも指折りの大実業家マックス・コトルでさえ、癌に打ち勝ち、臨終の時を引き延ばすことはできないのだ。生きている間にもう一度、息子のカールと会いたい、会って誤解を解きたい…実業界で強烈な個性を発揮してのし上がってきたコトルの、最後のセンチメンタルな願いだった。
カール・コトルが姿を消して10年が経っていた。父親への反発から過激な学生運動へ走り、1人の少女の悲惨な死を招いた放火事件の首謀者として警察に追われる身だった。カナダに逃げたとも、最近街に舞い戻ったとも、噂は流れていたが、いかんせん10年の歳月が彼の足跡を希薄にしていた。そして、莫大な遺産を継ぐ相続人捜しに動揺するコトル家周辺の人々の干渉…タナーの捜査の前には、多くの困難が横たわっていた。
そんな時、思いがけずマックス・コトルの突然の死が報じられた。間に合わなかった―努力はすべて徒労に終わったのか…? だが、この衝撃的なニュースの陰に隠れて、コトル家の内部が不気味な動きを示し始めていたことを、タナーは知らなかった!
サム・スペードの街サンフランシスコに蠢く悪に単身立ち向かう私立探偵。一作ごとに声価を高め、80年代を代表するハードボイルドと称されるシリーズ第2弾。

(表紙巻末面の内容紹介文より)

★状態:並下  ※状態表示についてはこちらもご覧ください。

【ビニールカバー】全体にやや強いホコリヨゴレがあり、背の上下辺には弱い傷みがあります。左右方向にやや縮んでおり、表紙が少し波打っています。
【帯】なし。
【表紙】背周辺に強く、その他も全体的にやや強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあります。巻頭面の小口側上下辺と巻末面の小口側下辺に折れ痕があり、巻頭面の中央付近には表面加工の不良による小さなシワが幾本かあります。巻頭面裏面(表2面)と巻末面裏面(表3面)全体にやや強いコスレヨゴレがあり、表3面の下部には値札シールを剥がした痕があります。
【本体】周縁部全体に強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレ・ホコリシミがあり、小口面には使用感もあります。本文中1カ所に大きな耳折れがあり、小さな耳折れや小口側の小さな傷みも数カ所あります。最終ページの小口側上部に水濡れ痕と思われるヨレもあります。
【本文】ページ面の周辺部に強く、その他も全体的にやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、やや強い古び感がありますが、通読に支障はありません。また本文中に線引き・書き込み等はありません。