早川書房刊
ハヤカワポケットミステリ 503
5版−1970年11月30日発行
新書判・並製・本文273P
発行当時の定価:380円
★内容:
化粧品会社の社長キングズリイは、ひどく横柄な男だった。その横柄なキングズリイが、私立探偵マーロウと、話している間にふと態度を変えた。事件を依頼することに決めたからだ。1ヵ月前、妻が、湖の別荘から失踪して、それきり行方をくらましている。情夫と、メキシコで結婚するという電報は来たが、その後2人がメキシコに行った形跡がないことがわかった。警察沙汰になる前に、探し出してくれというのだった。
マーロウは、情夫の家を訪れた。意外にも男はそこにいて、メキシコに行ったことも、夫人に会ったことも否定した。それでは彼女は何処へ行ったのだ? マーロウはサンバーナディオの湖の別荘に足を向けた。
湖は澄んで静かだった。空気は和やかで陽は明るかった―その緑色がかった水の底に、マーロウは求めていたものを見つけたのだ―人間の形に似た長い、よじれたものが、ふわふわと水流に揺れている…じっぽりと水を吸い込んだブラウスとインキよりも黒ずんだ革の上衣に包まれて、膨れ上がった白い肌…目も口も鼻もない、のっぺら棒な白い顔…。
今は亡きハードボイルドの王者チャンドラーが、名作『長いお別れ』に先駆けて発表した異色大作。
(表紙巻末面の内容紹介文より)
★状態:下 ※状態表示についてはこちらもご覧ください。
【ビニールカバー】全体に強いホコリヨゴレがあり、背の上下辺には傷み・破れ(約1cm)もあります。
【帯】なし。
【表紙】背周辺に強く、その他も全体的にやや強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあります。巻頭面の上辺には小さな折れがあります。巻末面裏面(表3面)の小口側下部には値札シールを剥がした痕があります。
【本体】周縁部全体に非常に強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあり、小口面には使用感もあります。天面・底面にはシミもあります。
【本文】ページ面の周辺部に非常に強く、その他も全体的に強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、強い古び感がありますが、通読に支障はありません。また本文中に線引き・書き込み等はありません。