ひきがえるの夜 隻腕探偵フォーチューン/マイクル・コリンズ=著/木村二郎=訳

早川書房刊
ハヤカワポケットミステリ 1368
初版−1981年4月15日発行
新書判・並製・本文203P
発行当時の定価:680円

★内容:

リカルド・ヴェガは演劇界に君臨する大物だ。俳優であり演出家、そして事業家でもある彼に、このニューヨークで逆らえる者など1人もいない。そのヴェガからショーの出演と引き換えに肉体を求められた女優志願のマーティーは、恋人ダン・フォーチューンに憤然と言い放った。「あいつを殺してきてよ、ダン。今すぐに!」
そぼ降る春雨をコートの襟でよけながら、フォーチューンはヴェガのオフィスへ乗り込んだ。だが待っていたのは罵りと用心棒の鉄拳だった。雨の舗道に殴り倒され、こづき回されるダンを、ある女のとっさの一声が救った。その若く美しい彼女も、ヴェガと口論の末追い出されたのである。ダンに同情して去る女の後ろ姿には、どこか悲劇の匂いが漂っていた。
2週間後ダンは女と再会した。酒場で開いたデイリー・ニューズ紙に、水着姿の彼女の写真が載っていたのだ。見出しには〈ヌード女優失踪〉とあった。雨中の天使のような彼女の顔と、ひきがえるのように尊大なヴェガの顔が、ダンの脳裡で重なった。やつが一枚噛んでいるに違いない。フォーチューンは怨念を叩きつけるように、輝かしい大スターの牙城へと切り込んでいった…。
マンハッタンのチェルシーを舞台に、悪を封じようと駆け回る片腕の私立探偵。大都会に蠢く人間たちの欲望と孤独を映し出した、正統派ハードボイルド第4弾!

(表紙巻末面の内容紹介文より)


★状態:並下  ※状態表示についてはこちらもご覧ください。

【ビニールカバー】全体的にやや強いホコリヨゴレがあり、劣化もあります。全体に横方向に約5mm縮んでおり、巻末側の小口折り返し部は上下辺とも外れて傷んでいます。
【帯】背部分に強く、その他も全体的にやや強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあります。
【表紙】背周辺に強く、その他も全体的にやや強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあります。巻末面の上部に大きなヨレ(シワ)があり、巻頭面裏面(表2面)・巻末面裏面(表3面)にはコスレヨゴレがあります。表3面の小口側下部に、ビニールカバーにかけて値札シールを剥がした痕があります。
【本体】周縁部全体に強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあり、小口面には使用感もあります。本文中に大きな耳折れが3カ所、小さな耳折れが2カ所あります。天面に1カ所シミもあります。本扉裏と巻末ページに製本の傷みがあります(外れてはいません)。
【本文】ページ面の周辺部に強く、その他も全体的にやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、やや強い古び感がありますが、通読に支障はなく、また本文中に線引き・書き込み等はありません。