早川書房刊
ハヤカワポケットミステリ 1424
初版−1983年12月15日発行
新書判・並製・本文228P
発行当時の定価:740円
★内容:
ダヴィンチやブラマンテの名画も無残に切り刻まれていた。それは、高校生がモナ・リザの顔にいたずらするのとはわけが違った。ナイフと定規を使って、16世紀イタリア美術の豪華本に載っている女性全部の性器と乳房、唇と眼が丹念に切り取られている。見る者の背筋を凍らせずにはおかない病的なやり方…すでに同じ被害が20冊を超えていた。ハイド・パーク図書館が私立探偵を雇うという異例の決定をしたのも、この事件に類を見ない異常性を感じたからに他ならなかった。
図書館長から本の切り裂き魔探しを依頼されたハリイ・ストウナーは、検事局のデヴリーズから聞いたある迷宮入り事件のことが頭を離れなかった。2年前、ハイド・パークに住む美術学校の女生徒が切り裂かれ、異様な姿で発見されたのだ。2つの事件を結びつける根拠は薄かった。だが、本を切り裂くことが現実の殺人の前触れだとすれば…さっそく、ストウナーは図書館の女性調査員デイヴィスや司教たちの協力を得て、図書館利用者の中から容疑者を洗った。そして、浮かびあがった数人の男たちを1人1人訪ね始めたが…
犯行を前になぞめいた手懸かりを次々と残していく異常殺人者の真実の顔とは? ハードボイルドに荒々しさを蘇らせ、新鮮な衝撃を与えたデビュー作『シンシナティ・ブルース』に続いて、意欲的な筆致で描く第2弾!
(表紙巻末面の内容紹介文より)
★状態:並下 ※状態表示についてはこちらもご覧ください。
【ビニールカバー】なし。
【帯】なし。
【表紙】背周辺に強く、その他も全体的にやや強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあります。巻頭面中央付近に開き癖による折れがあり、上下辺にやや強いヨレもあります。また全体に製本時の表面PP貼り加工の不具合とみられるシワが随所にあります。巻頭面裏面(表2面)・巻末面裏面(表3面)にコスレヨゴレがあり、表3面の小口側下部には値札シールを剥がした痕があります。
【本体】周縁部全体に強いヤケ(褪色)・ホコリヨゴレがあり、小口面には使用感もあります。天面・小口面にはシミもあります。本文中数ページ分の小口下辺角に小さな耳折れがあります。
【本文】ページ面の周辺部に強く、その他も全体的にやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、やや強い古び感がありますが、通読に支障はなく、また本文中に線引き・書き込み等はありません。