一万一千本の鞭/ギョーム・アポリネール=著/須賀慣=訳

角川書店刊
角川文庫 赤373-1
9版−1977年2月20日発行
文庫判・並製・カバー巻・本文238P
発行当時の定価:220円

★内容:

大人のための性のメルヘン!
これは大人の童話である。下品で残酷、豊満で優雅、奔放で澄明な、性の童話である。雲古、御叱呼、血、精液、あらゆる体液がわきたっているエクストラヴァガンツァであるが、淫らさがどこにもなく、爽快な哄笑があり、背後には痛烈な嘲罵の精神がある。

(帯巻頭面の解説文<開高健>より)
“一万一千本の鞭”は好色本ではない、この本のいちばんの欠点といえば、まあそのくらいのことだろう。これは遊びであり、アポリネールという人間のおかげで、彼が手を染めたということが原因になって、この本が詩集とはまったく関係が薄いというところから考えても、私的なものすべてが、ここでは賛嘆すべきものになっている。…これこそアポリネールの器用さがすべて、心の平静を乱すある種の下劣さ?−その最高の表現が絵はがきであるが−−についての彼の認識が、真面目さとか、人生とかを踏台にして明るみに現われ出た、そういった本なのである。しかしもしかしたら、これこそユーモアがもっとも純粋なかたちで出たアポリネールの本かもしれない。…
(序文<ルイ・アラゴン>より)


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【帯】全体にやや強いヤケ・褪色・コスレがあり、小口の折り返し部分には印刷のワレ(破れてはいません)もあります。
【カバー】背周辺と上辺に強く、その他もやや強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、古び感があります。巻末側袖の下部に値札シールを剥がした痕があります。
【表紙】背の周辺にやや強いヤケ・褪色があり、中央部に開き癖もあります。巻末側上部にシミが1カ所あります。
【本体】周縁部全体に強いヤケ・ホコリヨゴレがあり、点シミも少しあります。
【本文】ページの周辺部に強く、その他も全体的にやや強いヤケ・ホコリヨゴレ・シミ等がありますが、通読には支障ありません。本文中には線引き・書き込み等もありません。