


著者名:
藤宮若菜 出版社名:
書肆侃侃房
わたしが死ねばわたしはうまくいくだろう自販機煌々ひかる夜道に
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この世もあの世も同じ朝焼け
ひとりなのにあたたかいのは、わたしたちが「誰かの不在」でできているから。
――雲居ハルカ(ハルカトミユキ)
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東直子さんが「命の際の歌が胸を突く」と評した
『まばたきで消えていく』の藤宮若菜
生と死、そしてその間にあるすべてのものへ
さみしさの先で光り輝く第二歌集
春はもう来ないとしても生きていてあなたは苺を洗ってくれた
最低な夜に回収されてゆく廃品みんなしあわせになれ
忘れ物みたいなからだ引きずって環七 みんな 生きているかな
きみといた日々のすべてが比喩になりときどき月あかりで目をさます
暮れていく季節に置いていかれてもうつくしい誤字のように生きるよ
夢から目覚め、静けさにまどろみながらもう一度毛布をかぶるとき、傍にこの歌集があったら、「この世の天国も悪くない」そんな風に思える気がするのだ。
――雲居ハルカ・解説より
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