著者名:
片桐洋一 出版社名:
和泉書院シリーズ名等:
和泉選書 186
若き古典文学研究者への遺言
「原典を目ざすという姿勢が何よりも研究の基本になるべきだが、享受した当代と後代の人々の心をも含めた形、つまり民族の心の中に生きた姿のまま作品を把握するために、本文研究・伝本研究は享受史の研究とともにあるべきだと思うのである。」
「京都大学を卒業した昭和二十九年以来、日本古典文学、特に平安時代の和歌と物語に関する論文を数多く書いて来た。もう書き尽したから廃業宣言をしようと思っていたが、書評の類を除いても、まだ少し残っていた。しかも残っていたものは、私の節目節目をなすものであったり、いま最も言いたいことであったので、捨てるに惜しく、ここに心情を吐露してみた。評者の方々の共感を得るかどうかわからないが、私の真情を聞いていただきたいと思う次第である。」
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