著者名:
リブラ研究会 出版社名:
日本経済新聞出版社
「はじめに」より一部抜粋
2019年10月14日のリブラ協会の設立に際し、マスターカード、ビザ、ペイパルは前述の規制当局の反応をもとに参加を見合わせました。
そして、その数日後に米国ワシントンで開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議では、各国は当面の間リブラを認めない方向で合意されました。
これにより、リブラプロジェクトの実施は相当な遅延が見込まれています。
他方で、リブラの関係者による「必要な認可を取得しない限りリブラを発行しない」との言葉を信じれば、
グローバル・ステーブルコインが全面的に禁止される事態にでもならない限り、
当初の予定より時間がかかったとしても最終的には必要な認可を受けてリブラを発行することは不可能ではないと思います。
もっとも、リブラに対しては高度な規制が課される見込みのため、仮にリブラを実際に発行できたとしても、
当初の想定にあるような利便性が高く世界中の誰もが利用することのできる決済サービスとしてどこまで普及するかは未知数です。
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