著者名:
杉本俊郎 出版社名:
南山堂
本書は著者の「利尿薬を適正に使用すれば,心不全・腎不全の入退院を防ぐことができるはず」という提言を基に刊行されました.薬物動態や薬力学の基本,著者の10年以上における総合内科医としての経験と最新のエビデンスを取り入れ,利尿薬の使い方の実際が理解できる構成となっています.さらに,水・電解質と酸塩基平衡にやたらと詳しい猫「きどにゃん」も友情出演するなど,理解が深まりながらも面白く読み進められます.
心不全や腎不全,肝硬変を普段から診療している方,さらに在宅や外来での使用方法もあるので地域医療に従事している方にもオススメな一冊となっています.
※本書は雑誌「治療」の連載,「超高齢社会シコウの利尿薬適正使用シコウ」(2019年7月〜2020年6月)をさらにブラッシュアップし,実践的な内容にしました.
【目次】
問題提起編
1 なぜ今,利尿薬の使い方なのか?
2 現状の利尿薬の使い方の問題点 〜なぜ適切に利尿薬を使用できないのか?〜
基礎編
1 利尿薬を使うために必要な知識 〜体液過剰・うっ血・浮腫の病態生理〜
2 利尿薬を使うために必要な知識 〜各種利尿薬の薬理学的特性〜
3 利尿薬を使うために必要な知識 〜利尿薬と腎生理〜
臨床基本編
1 うっ血性心不全における利尿薬の使い方
2 体液過剰状態のネフローゼ・慢性腎臓病に対する利尿薬治療
3 肝硬変(腹水貯留例)
4 急性期医療・集中治療と利尿薬
5 降圧薬としての利尿薬
臨床実践編
1 ADHF─利尿薬の初期投与
2 ADHF─利尿薬の効果判定
3 ADHF─電解質異常への対応
4 ADHF─腎機能障害への対応
5 ADHF─利尿薬の効果の減弱
6 ADHF―入院から外来診療への移行
7 慢性うっ血性心不全─慢性期・外来における利尿薬の使い方
8 慢性うっ血性心不全─外来・在宅療養症例などにおける利尿薬の使い方
9 慢性うっ血性心不全─外来診療における,新しい利尿薬の使い方
10 高齢者のうっ血性心不全・腎硬化症─外来でのcardio-renal syndrome
11 高血圧─難治性高血圧の一例
12 肝硬変─腹水貯留例
13 体液過剰状態の慢性腎臓病に対する利尿薬治療
症例編
1 急性うっ血性心不全の一例
2 進行した腎機能障害を呈している高齢糖尿病性腎臓病の一例
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