かんたん看護研究計画書書き方ガイド 研究立案から論文投稿・学会発表まで/桂敏樹/星野明子

編集:桂敏樹 編集:星野明子
出版社:南江堂
発売日:2025年02月
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著者名:桂敏樹  星野明子 
出版社名:南江堂

好評書『かんたん看護研究 改訂第2版』の姉妹書.看護研究に不可欠な倫理審査をはじめ,計画書や申請書,説明文書,同意書,承諾書,論文からポスター作成に至るまで丁寧にガイド.実例を使った解説で研究の進め方が具体的にイメージでき,看護研究への苦手意識を克服できる一冊!

【はじめに】(序文) *抜粋・改編
1980年頃から看護系大学の新設が始まり,今では280校を超えています.大学院も多数設置され,看護職の実践能力や研究能力の高度化,看護学の専門性の深化が進んでいます.これまでも,そしてこれからも,看護研究は大学・教育研究機関は言うまでもなく,医療機関や行政においても広く行われ,研究成果は患者・地域住民はもちろん医療・保健にも多くの恩恵をもたらしていくことでしょう.

この間に研究倫理に関する考えは,研究対象者の尊厳・人権を最も優先しなければならない方向性に変わりました.人を対象とした研究を行う場合,研究計画書を作成しても倫理審査を経て倫理委員会の承認が得られないと研究を始められません.このことは,倫理審査の重要性と必要性を物語っています.したがって,まず研究計画書の作成と倫理委員会の承認からスタートすること,そして次に良い研究を実施しエビデンスとなる研究成果を蓄積することが,質の高い看護実践の礎になります.これは,医療専門職に課せられたミッションです.

ところが,看護ケアの向上に繋がる優れた発想の研究計画書であっても研究経費がないために研究を実施できないことがあります.このような残念なことにならないために,研究助成によって研究に必要な経費を獲得することも考えなければなりません.また,人を対象とする研究は患者や地域住民の協力があって初めて実現できるものです.したがって,研究者は研究することだけを考えるのではなく,研究成果を社会に還元し患者や住民に恩恵をもたらすことに繋げなければなりません.そのためには,論文が多くの専門職や一般の人達の目に留まることが大切です.研究成果を学会で発表し,ジャーナルに投稿することは研究者・医療専門職としての責務です.

そこで,本書は倫理審査申請書とそのなかに含まれる研究計画書の書き方について,事例を用いてより詳細に解説したテキストとして,また既刊『かんたん看護研究』(南江堂)の“書き方ガイド本”としました.前半は,研究計画書,倫理審査申請書,研究助成申請書の作成について具体的な内容を,後半ではデータ分析,学会発表(抄録作成等),論文投稿について説明します.本書だけでも各種書き方を学ぶことはできますが,さらに理解を深めたい人は,必要に応じて『かんたん看護研究』も参照しつつ知識を整理し,2冊の本を相互補完的に活用して理解と作成力を高めましょう.

皆さんには,本書を活用してしっかりとした研究計画を作成し倫理審査を突破して,研究を実施し終えたら研究成果を論文として公表する経験を積み重ねてもらいたいと思います.

2024年冬 京都
桂 敏樹

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。