著者名:
藤川裕晃 川越敏昌 出版社名:
同友館
この30年間、他の先進国はそれなりに経済成長しているが、唯一日本だけが経済成長に背を向けている。原因は複合的なものだが、その対策はどの書籍を読んでも同じことが挙がっている。それは、「DX化」である。これは、デジタル技術を使って企業の改革をすることを指している。
企業の改革方法は、通常、問題を列挙して真の原因を明らかにし、解決すべく戦略を立てること、更にその戦略に基づいて戦術を立てて実行するのが手順である。だが、いつまで経っても日本企業はこういった効率化・自動化・情報化・最適化の類の企てに失敗し続けている。まるで、日本経済がバブル以降立ち上がれないのと符号しているようである。
デジタル化はお金があればどんな企業も形態的には達成可能だ。しかし、DX化ではデジタル機器は主役ではない。本書で紹介する事例はデジタル機器購入に掛かった費用は微々たるものである。中小企業にも手が出せる金額であり、しかもDX化補助金を使えばなんのことなくDX化ができる。いちばん重要なことは、その企業がライバルと差別化して生き残るためにはどんな問題を抱えているか、それらの問題のどれが真因で、その真因を解決する糸口はどうすることかを解き明かすことである。具体的にIoTをどこに置き、何に繋いでデータを吸い上げるのか、はたまた、収集したデータをどう料理して真因の解決に繋げる意思決定を導き出すかのシナリオとシステム設計がなくてはいけない。
本書は、著者と法政大学専門職大学院の学生達が関与した事例を挙げ、製造業のオペレーションに的を絞った手法を提案し、企業の経営戦略との関係および生産システム構築の具体的方法を述べる。
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