


著者名:
筑波大学附属小学校算数研究部 出版社名:
東洋館出版社
特集:算数授業で学級づくり
■編集後記より
先日,研究授業後の協議会で「自分とは違う意見を受け入れられる子どもが育っていないと算数の授業は成り立たない」と語る先生に出会った。
本号の編集をしている最中だった私には,その言葉がとても響いた。その先生とは協議会が終わってからも,二人で算数授業と学級づくりについての話を続けた。
本号が「もうすぐ出ます」と言ったら,「今こそ必要な特集ですよ」と言ってくださった。
算数授業と学級づくりは分けて考えられるものではない。表裏一体のものである。算数授業を考えればそこには学級づくりが関わってくる。
学級をよりよくしていこうと思えば,算数授業をよりよくしていかなければならない。そんな思いを強くもった。
編集をしながら,自分の学級づくりをひたすら反省していた。原稿を読むたびに,教えている子どもたちの顔が出てきた。「そうだよなあ。もっとしてあげられたよなあ」と
申し訳ない気持ちになった。そして,同時に「もっとよくしてあげられるぞ」と明日の授業が楽しみにもなった。
自分の授業を振り返ることは,学級づくりを振り返ることでもある。日々の授業が学級を作っていく。肝に銘じて算数授業を,学級づくりをしていかなければならないと改めて思った。
若い先生が増えている今,学級づくり,授業づくりで悩んでいる先生も多いと聞く。そんな先生方を応援する特集になったと思う。
たくさんの先生方,そして,子どもたちが笑顔で元気に算数授業を楽しむ教室が増えていってくれたらうれしい。
(中田寿幸)
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