


著者名:
宮口幸治 出版社名:
東洋館出版社
近年、学校教育で大きな注目を集めている「コグトレ」。学校・社会で困らずに生きていくための力を育むため、学習面、社会面、身体面へ働きかける包括的なプログラムです。
コグトレで特筆すべきは、その活動がすべて、認知的な裏付けに基づいていることです。提唱者の宮口幸治先生(児童精神科医・臨床心理士)は、多くの困っている子どもたちの支援を通して、その苦手さや困難の現状や特徴を考察しています。その結果、認知的なアプローチを通じて確実に困難を軽減し、子どもたちがよりよく学校や社会生活を楽しめるためにコグトレを提案しました。その結果、多くの学校で成果を上げているとともに、子どもや先生、保護者から喜びの声が多数寄せられています。
このコグトレの中から、学習面での活動に焦点をあてたのが、「さがし算」です。格子のかたちに組まれた数字の中から、正しい数字の組み合わせを見つけてで囲みます(本書では低学年を対象とし、2×2または3×3の格子まで)。
点線でつながれた、たて、よこ、ななめのとなりあった2つの数字を足すと9になるものが1つあります。それを探して、でかこみましょう。
通常、計算ドリル等で行われる計算練習は、「例えば3+6=□」のように、一方向の計算で、1つの決まった解答を求めるものです。
しかしこのさがし算の特徴とは、「足すと9になる数」の組み合わせを頭の中で考えるとともに、格子にある数がその組み合わせと合致するか、それぞれの数を頭の中で組み合わせ、計算しながら考えるという逆転の発想に基づいていることです。このような認知的裏付けに基づくプログラムによって、計算に慣れたり暗算が得意になったりすることに留まらず、
記憶力を高める力
数感覚をよりよく身につける力
素早く処理を行う力
計画的に物事をすすめる力
といった能力を同時に、楽しく育むことができます。
これらの力は認知処理全般にかかわるため、数や計算の能力向上はもちろんですが、より高次の学習や算数以外の学習の基盤となります。それだけではなく、子どもがよりよく学びに向かう力、および目的を実現するためのプログラミング的思考の礎となるなど、新学習指導要領が向かう学びを確かに支える力でもあるのです。
本書に掲載されている問題数は全250題、4段階のレベルで60ワーク
各ワークは、自己採点欄、かかった時間、「タイムはよかったですか?」などの記入欄など、子どもが自分で振り返りをできるようにつくられています。
これによって、
正確に問題に取り組めるか
自分がどのくらいの時間でワークに取り組めるか
以前よりも短い時間で解答し終えることができたか(ただし、他の人と比べる必要はありません)
などを、自ら把握することができます。振り返りからこのワークにかかる時間もおおまかに把握できるので、朝の時間やちょっとしたすき間時間など、 クラスの実態にあわせて活用することができます。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。