著者名:
石村きみ子 出版社名:
国書刊行会
愛や結婚に挫折しても、物語を創作する喜びを見出し、愛を信じて苦境を乗り切ろうともがく若き紫式部。
本人を知るよすがとして、『紫式部日記』や歌集『紫式部集』さらに『源氏物語』が残されており、その中には恋愛や結婚に喜び、傷つき、悩み、苦しみながらも作家として自立し、一千年前の男社会の中で、すばらしい作家となっていく実像を見ることができます。本書ではそれらを丹念に掬い上げ、現代の女性たちの「生き方」のヒントとなるように読み解いていきます。
【目次】
はじめに
紫式部・藤原道長家系図
『源氏物語』五十四帖と光源氏の年齢、登場人物
プロローグ
紫式部の筆力が語る、道長の栄華への幕開け
1 紫式部の憂い多き恋と結婚
2 道長は転がり込んだ出世のさらに上を狙う
3 紫式部のプライドを鷲掴みにした道長
4 光源氏はパーフェクトな王統の貴公子、都の女性の憧れ
5 紫式部は出仕後たった五日間で敗北的な宮中退却
6 道長、彰子中宮の懐妊祈願のため金峯山詣
7 光源氏は多情仏心な青年から冷徹な政治家に変身
8 紫式部と道長「大人の恋」をゲーム感覚で楽しむも?
9 光源氏、二十六歳年下の女三の宮との結婚の勘違い
? 紫式部、「キャリアウーマン」としても存在感を示す
? 道長、権力闘争の勝者となり「摂関政治」全盛期を築く
? 光源氏の陰湿ないじめが若き柏木の命を縮める
? 紫式部、道長によって宮中追放か?
? 道長「この世をば我が世とぞ思ふ・・・」望月の歌で栄華の極みを世に知らしめる
? 光源氏の子薫君と孫匂宮の二人の愛を受け入れてしまった浮舟の悲劇
? 紫式部、子女の教育の大切さを『源氏物語』の中で力説
? 道長は女運に恵まれ、女心の掌握の術を心得ていた
エピローグ
紫式部・藤原道長の略年譜
あとがき
引用文献、参考資料
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