著者名:
喜安幸夫 出版社名:
廣済堂出版シリーズ名等:
廣済堂文庫 き−6−29 特選時代小説
ご法度の陰富(かげとみ)が出回っていた。木戸番の杢之助は岡っ引から陰富の胴元として大名屋敷が怪しいと聞かされ…。
杢之助が木戸番を務める左門町にほど近い伊賀町の福寿院で富くじ興行が行われることになり、町人たちの心を騒がせる。しかもその日は神君家康公が入府したと言われる八朔の日(八月一日)に当たり、諸大名が登城して将軍家に祝辞を述べる日でもあるのだ。万一の不祥事に備えて定町同心の見廻りに加え、隠密同心も秘かに町々に入っているらしい。探られたくない過去を持つ杢之助が緊張を強いられるなか、もぐりの富くじである“陰富”の噂がながれ、訳あり風の浪人の行動にも疑念が膨らむ…。書下ろし痛快時代活劇。
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