『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん/柴田元幸

編著:柴田元幸
出版社:研究社
発売日:2019年10月
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著者名:柴田元幸 
出版社名:研究社

『ハックルベリー・フィンの冒けん』てゆうホンヤク本をよんでない人はおれのこと知らない、とはかぎらなくて、そのまえに出たいろんなホンヤク本で知ってる人もおおぜいいるらしいんだけど、まあそのへんはどっちでもかまわない。『ハックルベリー・フィンの冒けん』はシバタ・モトユキさんてゆう人がつくった本で、まあだいたいはただしくホンヤクしてあるらしい。おれはニホンごよめないけど、ともだちのクマダカメキチがそういってた。ところどころゴヤクもあるけど、まあだいたいはただしくホンヤクしてあるとカメキチはいう。べつにそれくらいなんでもない。だれだってどこかで、一どや二どはゴヤクするものだから。(本文より)


こんな本です――

あいさつ
ハックルベリー・フィンによる紹介
この本について
編訳著者による紹介

I 『ハック・フィン』入門(構成・執筆 柴田元幸)
1. ハック・フィン』基本情報
ハックルベリー・フィンとは/マーク・トウェインとは/『ハックルベリー・フィンの冒けん』の構成/
同時代の評価/文学的意義、後世への影響
『ハックルベリー・フィンの冒けん』の構成/同時代の評価/文学的意義、後世への影響
2.『ハックルベリー・フィンの冒けん』の英語
標準でない英語のあたたかさ/ハックが「語った」もの――と同時に「書いた」もの
3. 『ハックルベリー・フィン』第1章徹底読解
対訳+詳注+〔さらにうるさいことを言えば〕
4. ハック英語辞典
adventureからtroubleまで
5. ハック名場面
厳しい自然/のどかな自然/ハックの葛藤/人間相手の冒険/ジムとハックの珍問答/哲学者ジム

II 『ハック・フィン』をどう読むか
1. ハックはどう読まれてきたか
T・S・エリオット/大江健三郎/トニ・モリスン/平石貴樹
2. 現代アメリカ作家が語る『ハック・フィン』
レアード・ハント/レベッカ・ブラウン/スティーヴ・エリクソン(書き下ろし)
3.『ハックルベリー・フィンの冒けん』書評
横尾忠則/池内紀/谷崎由依

III 『ハック・フィン』から生まれた新たな冒けん
1. ハックの末裔たち
トウェイン自身による続篇/J・D・サリンジャー/ソール・ベロー/大江健三郎/ジョン・シーライ/
ラッセル・バンクス/ジョン・クリンチ/ノーマン・ロック/ロバート・クーヴァー/
カート・ヴォネガット
2. ノーマン・メイラー「ハック・フィン、百歳でなお生きて」
3. ジョン・キーン『リヴァーズ』

IV 『冒けん』に入らなかった冒けん
「ジムのユウレイばなし」
「筏のエピソード」

編著者あとがき

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