計算科学講座 3(第1部計算科学の基盤)/金田行雄/笹井理生

監修:金田行雄 監修:笹井理生
出版社:共立出版
発売日:2014年09月
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著者名:金田行雄  笹井理生 
出版社名:共立出版

本書は統計・多変量解析のノウハウ書と理論の解説書の間をつないでいることを最大の特徴としています。本書ではMicrosoft Excel 2007(2010, 2013でも利用可)をシミュレーションツールとして活用しています。Excelを利用した統計・多変量解析の入門書および本格的な理論の解説書との違いは,全ての節において理論展開に入る前にExcelを用いた検定の実行とシミュレーションによる統計分布の疑似体験を可能にしている点です。例えば,独立な事象X,Yの和X+Yの分布,平均Xの分布,検定統計量Tの分布などをそれぞれまずシミュレーションによりどのような分布となるのかを体験した後に理論を学べます。多重比較の問題に現れる,例えばスチューデント化された範囲を与える分布など,これまであまり示されてこなかったような分布もシミュレーションにより確認できます。全てのExcelファイルはダウンロード可能です。
Excelの機能は飛躍的に高まり,いまや統計・多変量解析に出てくる多くの分布をシミュレーションにより擬似体験できます。読者はこの機能を活用して,20世紀初頭に統計学を開拓した先人達と同じように,まずは(実験データの代わりに)シミュレーション結果の分布を眺めて,その後に理論を考えることができます。背景にある理論の意義を感じることができれば,長い理論展開を学んでいく旅程は楽しいものになると編者は信じます。
本書のもう一つの特徴は統計・多変量解析とソフトコンピューティングの接点を解説している点です。シミュレーションと理論でたっぷりと統計・多変量解析の考え方になじんだ読者に,本書の最後で確率とはひと味違うファジィクラスタリングの手法を紹介します。

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。