出版社名:
笠間書院
松浦宮物語
室城秀之[校訂・訳注]
唐に渡った弁少将は、皇位をめぐる争いに巻き込まれ、
皇后と新帝を助けて敵を滅ぼす。
また、神仙女の生まれ変わりの華陽公主から琴曲を伝授され、
天女のごとき〓皇后の化身とは妖艶な逢瀬をかさねる。
弁少将は、別れを惜しみつつ帰国する。
新古今集の代表的歌人藤原定家が作った幻想的な物語。
かの地の戦乱・平定・徳治を描くのは、
源平合戦の時代相を反映していよう。
本書の底本には、東京国立博物館蔵伝後光厳院宸翰本『松浦宮物語』(古典籍覆製叢刊)を用いた。
雲隠六帖
小川陽子[校訂・訳注]
光源氏および宇治十帖の人々の後日談である。
光源氏は幻巻翌年の正月に遁世、
紫の上の七回忌に出家、十三回忌に入定する。
一方、浮舟は還俗して薫に引き取られ、
匂宮は今上の退位に伴い即位、中君は中宮となる。
中君は愛息の死により急逝、薫は出家をし姿を消す。
この間、登場人物の多くは亡くなるか出家遁世をし、
残された者も仏法に救いを求める姿が描かれる。
本書の底本には上方版無刊記九冊本『雲隠六帖抄』の物語本文を用い、これに名古屋市蓬左文庫寄託堀田文庫蔵本(堀)・愛知県立大学図書館蔵本(愛)・立花和雄氏蔵本(立)・早稲田大学図書館九曜文庫蔵本(九)の四本を参照して校訂本文を作成した。
【目 次】
凡例
松浦宮物語
巻一本文 注
巻二本文 注
巻三本文 注
解題・年立・系図・登場人物呼称一覧
雲隠六帖
本文 注
年立・系図・解題
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