


著者名:
豊下楢彦 出版社名:
集英社シリーズ名等:
集英社新書 1272
2025年は広島・長崎が核攻撃を受けて80年となる。この人類的な悲劇を背景に「核のタブー」が生み出されてきた。
しかし、ロシアのウクライナ侵略、イスラエルによるガザのホロコースト、「台湾有事」の切迫、北朝鮮の核開発とイランの核問題、印パ紛争、そして「核のボタン」を弄ぶトランプの再登場、さらにイスラエル・イランのミサイル攻撃に対するアメリカの軍事介入など、核使用の危険性がますます高まっている。
そもそも、核保有を正当化してきた核抑止論は”脅しの信憑性”を核心に据えてきたが、その根底には「狂気」が孕まれている。
こうした核抑止論の本質を歴史的、論理的に解き明かし、核廃絶に向かう道筋と日本の採るべき選択肢を提起する。
序章 『博士の異常な愛情』の戦慄
第1章 エルズバーグと「狂気の沙汰」
第2章 核戦略論の陥穽
第3章 「狂人理論」の展開
第4章 「一方的軍縮」の論理
第5章 先制攻撃論と「狂人」
第6章 「核の復権」とは何か
第7章 北朝鮮とイスラエル
第8章 「トゥキュディデスの罠」の罠
第9章 「トランプの傘」という狂気
豊下楢彦(とよした ならひこ)
1945年、兵庫県生まれ。専門は国際政治論・外交史。
京都大学法学部卒業、同学部助教授、立命館大学教授、関西学院大学教授を歴任。2021年に古関彰一氏と共に第8回日本平和学会平和賞を受賞。
著書に『日本占領管理体制の成立』『安保条約の成立』『集団的自衛権とは何か』『「尖閣問題」とは何か』『昭和天皇の戦後日本』『昭和天皇・マッカーサー会見』『沖縄 憲法なき戦後』(古関彰一氏との共著)など。
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