ボウモア 18年 / BOWMOE 18y 43度
ボウモア蒸溜所の創業は1779年。アイラ島で最も古い蒸溜所であり、スコットランドでも一、二とされる古い歴史を誇っている。
さらにはスコットランド全土のほとんどのモルト蒸溜所が製麦会社に麦芽製造を委託しているのに対して、21世紀のいまもキルンと呼ばれる麦芽乾燥塔から煙がたなびく稀少なモルト蒸溜所だ。現在、メジャーなモルト蒸溜所の中でも6蒸溜所くらいしかないようだ。
麦芽は70%を麦芽製造会社に委託し、30%は自らが製造する。つまり、いまだにフロアモルティングをおこない、麦芽乾燥にピートを焚いているのだ
ボウモア蒸溜所No.1 Vaults(第一貯蔵庫/ヴォルトとは地下貯蔵庫)はスコッチ・モルトウイスキー貯蔵庫として最古の歴史を誇る。さらには潮の香に抱かれた海のシングルモルトとしての唯一無二の特殊な環境下にある。「ボウモア」はゲール語。「大きな岩礁」のことを言う。訪ねたならば驚くことだろう。No.1 Vaultsはダイレクトに海に面しており、波打ち際の岩盤を削り取り整地した上に建造されたものだとわかる。庫内の床は海面下に位置し、半地下のようなつくりともいえよう。天候次第では波しぶきが外壁を洗い、嵐となれば荒波が容赦なく外壁を打つ。No.1 Vaultsはそんな極めて稀な立地にあり、原酒樽熟成に理想的な環境をおよそ240年にわたり保ちつづけている。深い熟成のために最適な湿潤さのなか、ほのかに漂う潮の香が熟成中の原酒と対話しながら香味要素の役割を担う。アイラ島最古の伝統とともに他と比べようもない立地。まさに海のシングルモルト。