金剛杵(ヴァジュラ)とは、元々は古代インドの武器で、ヒンドゥー教の雷神インドラが放つ稲妻が元と言われたりします。
密教では仏の智慧を象徴し、煩悩(ぼんのう)を打破する菩提心の表象として用います。
本来は真鍮(しんちゅう)・銅・鉄などでつくられ、手に握れるほどの大きさで両端に刃がついているのが特徴です。
その中でも、両端の分かれていないのを独鈷杵(どっこしょ)、分かれたものはその数により、三鈷杵(さんこしょ)、五鈷杵(ごこしょ)と呼ばれています。それぞれ一真如・三密三身・五智五仏の義を表わしています。
どれも強さの象徴を表し、己の闇を解き放ちます。
他を救う仏の慈しみの力、他の悲しみを取り除く力を表す法具です。