蝶 絵画 銅版画 カラーメゾチント 浜口陽三 「青い蝶」 額付き

●画家名:浜口陽三
●作品名:青い蝶
●作品のサイズ:W4,6×H4,6cm
●額装サイズ:W53×H53cm
●版画の技法:銅版画(カラーメゾチント)
●サイン:作家直筆鉛筆サイン
●納期:7日

浜口陽三さんがカラーメゾチントの銅版画で制作した蝶の絵「青い蝶」は、1982年に制作されたカラーメゾチントの銅版画です。

レゾネナンバーは170-1番で、これは浜口陽三さんの銅版画作品として170番目に制作された銅版画という意味です。

レギュラーエディションが110部、AP(作家保存版)が20部、トータル130部のカラーメゾチントの銅版画が制作されました。

本作品はAP番で、ローマ数字で20分の4という限定番号が入っています。

制作から30年以上経過していますが、シート全体が完璧な保存状態で、焼けやシミ、波うち、色落ちなど一切ありません。

絵柄の部分はW4,6cm×H4,6cmしかありませんが、シートが非常に大きいので、このような大きな額装になっています。

「壁の宝石」と呼ばれる浜口陽三さんらしい素晴らしいカラーメゾチントの銅版画だと思います。

浜口陽三 プロフィール


カラーメゾチントのパイオニア・浜口陽三が本格的に銅版画を制作しはじめたのは1950年(昭和25年)、40歳を過ぎてからです。
浜口陽三が追求した銅版画の技法メゾチントは、ヨーロッパでは17世紀から用いられた技法ですが、浜口陽三はその銅版画の技法に第二次世界大戦後の日本で取り組み始めました。
道具や材料が思うように手に入らない時代に、試行錯誤しながら作られ始めた銅版画の作品は、初々しい魅力にあふれています。
浜口陽三は銅版画制作に専念するため1953年(昭和28年)にフランスへ渡ります。
そしてパリについたその夜、カフェで偶然出会った画商のベルグリューンに、その才能を認められます。
はじめは黒の濃淡で表した表情豊かなメゾチントの銅版画が認められていきますが、浜口陽三はそれだけでは飽きたらなくなり、1955年(昭和30年)4色、4版を重ねる独自のカラーメゾチントの銅版画に着手、宝石のように美しい数々のカラーメゾチントの銅版画作品を生み出します。
第1回東京国際版画ビエンナーレ展(1957年)で国内大賞にあたる国立近代美術館賞、第4回サンパウロ・ビエンナーレ(1957年)で版画大賞を受賞するなど、そのカラーメゾチントの銅版画の評価は一気に国際的に高まっていきました。
人種や言語の違いを超えて浜口陽三のカラーメゾチントの銅版画は受け入れられていきました。
1960年(昭和35年)頃になると日本やフランスのほか、イタリア、アメリカ、スペイン、ベルギー、ユーゴスラビア、ブラジルなどほとんど連日、世界のどこかで浜口陽三の銅版画の作品が、展覧会に出品されている状況にまでなっていました。
一方でカラーメゾチントの銅版画の制作はアトリエで続けられ、その表現は黒と色彩のコントラストが一層明確になっていきます。
68歳頃からはパリの寒さを避けて、アメリカ西海岸をしばしば訪れるようになり、1981年(昭和56年)秋、サンフランシスコに移住。
あらたな土地でカラーメゾチントの銅版画の制作は続けられました。
1974年(昭和49年)65歳の時『ブリタニカ百科事典』第15版の銅版画のメゾチントの項目に「20世紀中ばにおいてメゾチントの技法を使う最も優れた、ほとんど唯一の芸術家はパリ在住の日本人である浜口陽三で、カラーメゾチントの銅版画の新しい技術を開発した」と紹介されました。
後になって浜口陽三はこのことを、ほかの数多くの栄誉ある賞よりも一番誇りに思っていると語りました。