日本のやきものの歴史は縄文式土器に始まります。飛鳥時代に、釉薬を使った陶器が日本に伝えられ、本格的な高火度施釉陶器は平安時代になってから作られるようになりました。鎌倉時代になる頃には大きな技術の進歩が見られ、各地で特色ある陶器の生産が行われるようになりました。
「耐熱土瓶8号」は愛知県西部に位置する常滑市(とこなめし)にある窯元で製造されています。常滑は古くから伝統的に窯業(製陶業)の行われてきた地。
常滑焼は瀬戸、越前、信楽、丹波、備前と並び日本六古窯の一つとされ、中でも常滑は最も古く最大の規模です。 ◇特徴◇
粘土に含まれている鉄分を赤く発色させることにより生まれる
朱泥(しゅでい)は、鉄分を含んだ陶土の性質を生かした茶褐色あるいは赤色を帯びた色調で、
朱泥焼は常滑焼の代表作として有名です。
無釉製品の場合は、素地磨き並びに彫刻等の素地加飾が常滑焼独特の肌合いを生み出しています。
◇技法◇
常滑焼には様々な伝統的技法があります。その一部をご紹介!
●練りこみ
白・黄・緑の3種の土を用い、その配合量の差で色味が異なる職人の経験と技術がなせる技。無釉焼成。
●いぶし黒
朱泥を用い、木炭とともに焼き上げることにより、落ち着いた黒色に変化したもの。無釉焼成。
●灰釉
灰が素地のなかの長石を溶かして窯の中で自然に釉化したのが自然釉であり、これを意図的に精製したのが灰釉。もっとも原始的な釉薬。
●焼き締め
陶土をただ焼いただけの、無釉焼成。高火度で長時間焼く。
◎常滑焼の主な製品・・・茶器、花器、酒器、置物、植木鉢など なかでも
「急須」は常滑焼といえば急須と言われるくらいの代表的な商品です。湯切れの良さや使いやすさには定評があり、また、繊細かつしっかりとした造りで、バランスも良く、飽きの来ないデザインをしており高く評価されています。
「十二支の置物」もまた常滑焼の代表格。常滑では長年生産されており毎年年明けに陶磁器会館で供養祭が行われ、十二支の置物を供養しています。